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【生まれてから旅立ちまでの物語】

生と死を考えさせられる記事でした
生死を深く考えることは生きるために大切なことではないでしょうか

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患者固有の「ものがたり」を大切にする医療のかたち──ナラティブホーム・佐藤伸彦さんの軌跡と想い
https://www.hcd-hub.jp/magazine/3906
「よかったですね」
私は、退院する誰にでも言うように、そう声をかけた。
「あ・ん・ま・り」
と彼女が言った。「ありがとうございました」という言葉を期待していた私は一瞬、何を言われたのかすぐには理解することができなかった。そして「あんまり」という言葉を何度も反芻していた。それが、二人を見た最後であった。
(佐藤伸彦『ナラティブホームの物語』p5)
何とも言えない違和感を覚えながらも、日々の忙しさの中で忘れかけていたある日、警察から電話がありました。彼女がマンションの自室でネクタイを使って夫を絞殺し、自身も飛び降りて自殺をしたとのことです。「先生はあんなにがんばって一人の人を助けたけど、結局最後には二人の人が亡くなったことになるね」。先輩医師の言葉が、佐藤さんにはこたえました。
「とにかく、もう、病院という箱物の中で医療するのがきつくなってきました。在宅でも病院でもない、あたらしい第三のアパートのようなところで、必要な医療と介護を受けて暮らしていけるようなものが、つくりたいです。高齢者の生き方に寄り添うような、医療がしたい」
(佐藤伸彦『ナラティブホームの物語』p144)

現代社会で隠されているのは、死ではなく「生」──ナラティブホーム・佐藤伸彦さんの死生観
https://www.hcd-hub.jp/magazine/3974

── 他方、現代社会では、日々の暮らしから死が覆い隠されている印象を受けます。
ナラティブホームのビジョンの一つに「生活の中に人の死を戻そう」というものがあります。もちろん、病院で死ぬほうが安心だという方もいらっしゃいますし、それは尊重すべきです。でも、生活の中で死んでゆく良さもある。ですから私たちは、日々の暮らしの匂いや音、風景や音楽の中に、死を戻してあげようという取り組みをしているんです。

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