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「寄り添う医療」

私たちの在宅診療所では、ご年配から小児までの在宅療養のお手伝いをしています。

まだまだ、在宅医療の仕組みは十分啓発されていませんが、少しずつ確実に必要とされている方々に広まっています。

医療的ケア児では、風邪や皮膚トラブルに対して往診をさせて頂き、本人ご家族の負担が軽減されています。また、医療機器を必要とされている方々には、医療品の物品管理をさせて頂き、これまで病院まで取りに行かれていた負担も無くなります。

また、成人の方々にも同様の対応が可能であるとともに、在宅療養の不安を取り除き症状の緩和もさせていただいています。緩和とは、心と身体のケアを中心に、適切な医療を施すことにより、安心して辛い思いをせずに旅立ちの日をお迎えするお手伝いをさせて頂いています。

ともすると、病院に通院をしていたり入院すれば安心と思われる方々もいらっしゃるようですが、在宅医療にはご自宅にしかない安心感という環境があります。また、ご家族が旅立つ人の思いを受け止め、命の大切さを感じ、心を育む大切な節目となります。

ご家族からの相談も増えています。診療所への一本の電話で、難しいと思っていた自宅での療養が実現するキッカケになります、

 

「だいじょうぶだよ、ゾウさん」
作: ローレンス・ブルギニョン
絵: ヴァレリー・ダール
訳: 柳田邦男
出版社: 文溪堂

年老いたゾウは自分の死期を悟るが,一緒に暮らしていたネズミはそれを受け入れられない。
しかし幾つもの季節を重ねるうちにネズミも成長して…。

想像してみてください。だいじな愛するひとがあの世にいってしまうことを。だれでも、すぐには受け入れられないでしょう。しかし、月日がすぎていくなかで、ひとはいつしか、つらく悲しい別れでも、それを受けいれられるように心が成長するのです。幼いネズミくんは年老いたゾウさんに、「いっちゃいやだ」といいます。しかし、弱ってきたゾウさんを一生懸命ケアするうちに、心が成長して、ゾウさんがゾウの国に渡るつり橋を修理してあげます。そして、「こわがらないで」といって見送るのです。ゾウさんは「だいじょうぶ」といって、渡っていきました。
この物語は、著者が幼いころから死について話してくれた祖母との別れの体験をもとに書いたそうです。いまの時代、家族の病気や死について、子どもは会話の輪のなかにいれてもらえないため、一生のなかでとてもだいじな死について学び、心を成長させる機会を失っています。この絵本は大人にも子どもにもだいじなことを語りかけているかと思います。   
                                             ―― 柳田邦男(本書帯文より)

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